古川薫にハマっております。
文脈が自分に合ってるのか、
何故かスラスラ読めてしまいます。
何より長州モノばかり書いているので、
非常にそそられています。
しかもなかなか渋い題材のものが多く、
とてもいいですね。
今回読んだのは「十三人の修羅」。
英国公使館焼き討ち事件に参加した志士が、
紆余曲折の末、仏師になるというお話。
主人公は架空の人物(と思う・・)なのですが、
ホントにいるのかと思ってしまいました。
前半は高杉晋作ら長州の尊攘志士と共に、
異人の暗殺や公使館の焼き討ちなどを計画し、
桂小五郎の認められその下で働き、
禁門の変、下関戦争、功山寺挙兵を経て、
大田絵堂の戦いで負傷します。
維新後、幕末期に縁があった仏師に弟子入りし、
修行を重ねて巨大な仁王像の建設に着手。
公使館焼き討ちに参加した同志たち行く末は、
志半ばで倒れたり、栄華を極めたりしましたが、
ひとり仏を彫る道に進んだ主人公は、
どちらでもなかったといえるでしょう。
前半の幕末期にしか興味の無い僕ですが、
この「十三人の修羅」に関しては、
後半の明治期の方が面白く読めました。
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