久々にレンタルビデオ屋に行きました。
今回借りたのは「柘榴坂の仇討」。
浅田次郎の短編小説を原作とする時代劇。
「五郎治殿御始末」に収録されています。
※五郎治殿御始末の記事はこちら。
全編維新(御一新)に翻弄された武士の話で、
この「柘榴坂の仇討」はその中で、
あまり印象の無い作品。
内容はすっかり忘れてました。
彦根藩下級武士志村金吾は、
藩主井伊直弼の近習に取り立てられます。
直弼の人柄に惚れ込んだ金吾は、
命に代えても直弼に守る事を誓いますが、
桜田門外の変で井伊を討たれてしまいます。
井伊直弼役は中村吉右衛門。
少ししか出番はありませんが、
井伊直弼がとってもハマリ役でした。
主君を守れなかった失態を犯した金吾に対し、
藩は「水戸浪士たちを討ち、
直弼様の墓前に首を供えよ」と命じる。
仇を探し回る金吾だったが、
逃亡中の水戸浪士は次々と捕縛されたり、
死んだりしてしまいます。
実際に明治まで逃亡した実行犯は2人。
海後磋磯之介と増子金八です。
阿部寛扮する佐橋十兵衛のモデルは、
明治政府に出仕していない増子でしょうか?
一方で彦根側の子卒の殆どが切腹、斬首され、
主人公志村金吾のモデルはいないようです。
明治6年。
既に彦根藩も幕府も存在せず、
武士も姿を消していました。
しかし金吾はひたすら仇を探し続ける。
水戸浪士の生き残りも、
佐橋十兵衛だけとなってしまっており、
十兵衛は車夫として生きていました。
金吾の妻役は広末涼子。
良妻の役が多いですよね。
そして方々手を尽くし、
とうとう十兵衛を見つけます。
柘榴坂までたどり着いた2人は、
一騎打ちとなります。
金吾は十兵衛の隙を突きますが刀を止める。
十兵衛は自分を討てと願い出ますが、
金吾は井伊の言葉を思い出し、
桜田騒動に心を置き忘れていた2人は、
新しい時代に生きる事を決心しました。
・・・とまあこんな内容でしたが、
阿部ちゃん濃いなあ(笑)。
メイク無しでギリシャ人演じれる人が、
明治初期の人物を演じるには、
少々無理があるんじゃないでしょうか?
幕末の人物を演じるなら、
ヘンリー・ヒュースケンあたり??
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