大興寺は佐賀市神野東にある黄檗宗寺院。
貞享2年(1685)に創建されており、
諫早家4代当主諫早茂真の正室菊姫が、
桂巌明幢禅師を招いて建立されました。
「本堂」。
平成18年に火災で本堂や方丈が焼失。
多くの寺宝も失われましたが、
平成24年に本堂が再興されています。
江戸時代は七間四面の本堂、
四間に四間の禅堂、庫裡、鐘堂、
鼓堂、楼門等の伽藍が建てられており、
隆盛を誇ったとされていますが、
明治維新以降は諫早家の庇護を失い衰退。
明治14年には本堂が売却された他、
台風等の自然災害も重なって、
一時は廃寺寸前となっていたという。
その後の明治末期に再興され、
庫裡本堂が再建されたようです。
「諫早家墓所」。
諫早家の墓所。
四十九院造り(玉垣)の中に、
石塔のみが集められており、
一列目が当主の墓と思われます。
中央:
雲龍軒殿威霖渚道澍大居士之墖/8代茂行
右中央より:
功徳院殿義範良忠居士/?
徳明軒殿慈心澤雲大居士/11代茂圖
天珠院殿義山仁勇居士之墖/?
長榮院殿無敞高運大居士/14代重孫
左中央より:
英俊院殿徹山憲明居士/?
徳巖院殿義運全忠大居士/12代茂洪
龍俊院殿帯岳興雲大居士/13代茂喬
恭徳院殿温冲良潤大居士/15代武春
※8代及び11~15代は特定出来ましたが、
9代と10代は特定出来ず。
功徳院と英俊院のどちらかが9代11代で、
天珠院は誰かの継嗣か?
諫早家の歴代墓所は天祐寺ですが、
この大興寺は城下の菩提寺として、
8代以降の墓所が置かれていたようです。
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