太宰府天満宮の門前六町のうち、
大町は門前町の中心地だったようで、
参拝者の為の旅館が軒を連ねていました。
現在も超有名な観光地である為、
年中通して非常に賑やかな町で、
名物の梅ヶ枝餅やお土産が売られ、
どこの店も観光客でいっぱい。
有名な[松屋]は薩摩藩の定宿であり、
西郷隆盛や月照、平野忠臣、月形洗蔵ら、
著名な幕末志士らが滞在していますが、
その隣にあった[大野屋]は、
長州藩の定宿であったようです。
「旧大野屋」。
現在は豆菓子店[まめや]として営業。
建物は当時のままのようです。
長州藩の定宿として知られており、
向って右隣の松屋が薩摩藩の定宿で、
左隣の[泉屋]が土佐藩の定宿とされますが、
土方久元の[回天実記]によれば、
五卿と共に太宰府に移動した土方は、
この大野屋を宿所としました。
[同藩と会合]との記載もありますし、
土佐人だけで集まる事もあった模様。
土方は土佐藩を脱藩してますので、
土佐藩の定宿よりは長州藩の定宿の方が、
都合が良かったのかもしれませんね。
旧大野屋には高杉晋作が宿泊したと、
ネット等に記載される事がありますが、
残念ながら宿泊した記録は存在せず、
太宰府に来た記録もないようです。
但し晋作は天神を信仰していたとされ、
奇兵隊の守護神も天神としていましたので、
機会があれば必ず来ている筈。
記録が無いだけ来た可能性はゼロではなく、
来ていたとすれば大野屋宿泊もありえます。
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