山田宇右衛門は正義派政権の政務首座を務め、
桂小五郎と共に幕府に対抗した人物。
吉田大助に山鹿流兵学を学び、
大助の養子吉田松陰の後見役となります。
松陰に多大な影響を与えたともされ、
世界事情に通じた山田亦介も紹介しており、
尊皇攘夷思想は持っていたようですが、
官僚として優秀な人物だったようで、
郡奉行や代官所など長く藩政に関わっており、
藩内では中立派に属していました。
残念ながら慶応3年に病没してしまい、
彼も維新を見ることなく逝っています。
その山田宇右衛門墓所が、
古熊神社参道の小道に入った場所にあります。
「古熊神社」。
山口の天神さんとして親しまれる神社で、
天神である菅原道真を祀ります。
大宰府に左遷された父を追って、
道真の子福部童子が大宰府に向かう途中、
夏病みを患い山口で11歳で死去。
その福部童子も配祀されています。
古熊神社の参道より、
山口市柔剣道場の手前の小道に入ると、
案内板が見えてきます。
この案内板の横を進む。
さらに山道を進みます。
で、いきなり墓が現れます。
「贈正四位 星山頼毅居士 寒月貞恒大姉」。
星山は宇右衛門の号で頼毅は諱ですが、
居士と続くことから戒名なのでしょう。
同じく大姉の戒名は奥さんと思われます。
倒幕政権のトップにありながら、
脚光を浴びなさ過ぎるような気がします。
政府で桂小五郎がいきなり政権を担えたのは、
宇右衛門の後ろ盾あってのことでしょう。
こういうしっかりした大人が、
若者を立てて暖かく見守る習慣は、
長州藩の良い所の一つだと思います。
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