西郷隆盛の写真は、はたしてあるのか?という題材で書かれた本。
「消された「西郷写真」の謎」というタイトルから、
陰謀系のトンデモ本かと思ったらそうでもなかった。
著者の斎藤充功は、ノンフィクション作家で、
近現代史、犯罪者、刑務所事情といったテーマを中心に、
取材・執筆を行っている人だそうです。
「これが西郷隆盛の写真だ」と世に出回っている写真を、
法人類学の権威東京歯科大学橋本正次教授の鑑定を軸に検証していきます。… 続きを読む
「幕末維新関連の書籍」カテゴリーアーカイブ
「浜田城炎ゆ 長州戦争と松平武聰」小寺雅夫
「浜田城炎ゆ 長州戦争と松平武聰」という本を読みました。
浜田藩といえば、石州戦争で大村益次郎率いる長州勢に攻められ、
城を自焼して退却し、自領が長州藩に占領された悲劇の藩です。
石州戦争は大村益次郎が総司令官として指揮し、
その戦いぶりだけがクローズアップされていますが、
やはり敗者にも物語があります。
筆者の小寺雅夫は、浜田市出身の作家。
浜田に関する本を多く書いておられます。
下関で言えば古川薫… 続きを読む
「犬たちの明治維新 ポチの誕生」仁科邦男
ちょっと視点を変えた本を読んでみる。
幕末・明治の犬に目を向けた本。
「犬たちの明治維新 ポチの誕生」です。
青い目の白人を見て畏怖を感じたのは、
日本人だけではありませんでした。
日本の犬は外国人を見ると吼えたようで、
駐日外国人は犬を厄介に思っていたという。
当時は町犬や村犬が沢山いたとされ、
町犬(村犬)は野良犬とは違い、… 続きを読む
「幕末スパイ戦争」歴史時代作家クラブ
電車の旅にはやはり文庫本です。
せっかちな僕はボーっとするのが苦手で、
何時間も電車に揺られる時、
必ず文庫本を買って読むようにしています。
今回買ったのは「幕末スパイ戦争」。
このダサいタイトルが気に入って購入。
読んでみると短編集でした。
「黒船忍者」多田容子
黒船に潜入した御庭番青山保助のお話。
実際に黒船に乗った澤村甚三郎… 続きを読む
「吉田稔麿 松陰の志を継いだ男」一坂太郎
松門四天王と云いますが、吉田稔麿について書かれたのもはそう多くない。
「吉田稔麿 松陰の志を継いだ男」は、
そんな数少ない吉田稔麿について書かれた本です。
吉田栄太郎(稔麿)の生い立ちより書かれていますが、
中間の子として生まれた環境。その環境ゆえの野望。
身分を詐称して幕府方に潜入したが、その環境・待遇に対して、
心地よく思ってしまう人間らしさなどが面白い。
面白いといえば、吉田栄太郎という同姓同名の長州藩士がいることで、
資料などで間違いがおこっている点に着目しています。
稔麿(年麿、年麻呂、年丸)への改名理由… 続きを読む
「長州藩大改革 幕末維新の群像」童門冬二
タイトルに惹かれてブックオフで購入しました(100円)。
高杉晋作のクーデターが成功に終わった後から始まります。
藩政府を乗っ取り人事を一新し、
自派の連中によって枢要ポストを占めた時点で、
自分の役割は終わりだと潜伏していた桂小五郎を呼び寄せます。
晋作は「古い家を叩き壊すのは得意だが、
新しい家をつくるのは苦手だ」と、さっさと四国に亡命してしまいます。
(馬関を開港しようとして暗殺から逃げる為ですが・・)
残されて後を託された桂は戸惑います。
桂は禁門の変以降は潜伏して、長州の一大事に全く関わっていない。
「後でまた来る。ちょっと待て。の桂」と卑怯者の烙印を押されている状態。… 続きを読む
「斬殺(「故郷忘れじがたく候」)収録」司馬遼太郎
司馬の短編集は、幕末、戦国、その他入り混じったものが多い。
この「故郷忘れじがたく候」もそのひとつ。
タイトルの「故郷忘れじがたく候」は、豊臣秀吉の朝鮮出兵のときに、
捕虜となって日本にやってきた李氏朝鮮の陶工たちの運命を描いた作品。
その他、「斬殺」、「胡桃に酒」が収録されています。
「胡桃に酒」は細川ガラシャのお話です。
「斬殺」だけが幕末モノで、世良修蔵の話。
世良は59万500石の… 続きを読む