徳川十六神将の高木清秀の三男高木正次が、
大坂定番就任の加増によって諸侯に列し、
河内国丹南郡に陣屋を築いたのが丹南藩。
丹南陣屋跡を訪問しようと住所を見ると、
どうやって行くか悩みます。
跡地は近鉄大阪線と南海高野線の間で、
一番近い近鉄河内松原駅でも2.3km。
この日は大坂中を巡って足がパンパンで、
仕方なくタクシーを使用。
渋滞で進まないのに料金が上がるので、
ドキドキしながら到着しました。
「来迎寺」。
丹南藩主高木家の菩提寺で、
丹南陣屋の隣にあったようです。
初代藩主高木正次や、
11代藩主高木正明の墓もあります。
「舊丹南藩主高木主水正陣屋址」碑。
来迎寺山門前に置かれた跡碑。
丹南陣屋は来迎寺東側にあったようですが、
商業施設や工場、民家となっており、
遺構は全くありません。
譜代大名であった丹南藩は佐幕的立場で、
12代高木正坦は大番頭を努めています。
慶応2年に天領の一揆を鎮圧しますが、
この軍事行動で困窮した財政はさらに圧迫。
殆ど破産寸前であったとされています。
大政奉還の際は静観しており、
鳥羽伏見の戦い後に新政府に恭順しました。
ちなみに三笠宮家当主百合子妃は、
丹南藩最後の藩主高木正善の孫。
令和元年現在95歳という最高齢の皇族で、
唯一の大正生まれ。
親王を3人、内親王を2人も生んで、
その上ご長寿。丈夫な嫁というのは、
彼女のような方を指すのでしょうね。
【丹南藩】
藩庁:丹南陣屋
藩主家:三河高木家
分類:1万石、譜代大名(定府)
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