京都府立図書館の敷地に、
吉田松陰の詩碑が建てられています。
「吉田松陰拝闕詩碑」。
明治41年の松陰五十回忌を記念し、
京都府教育会が建立した詩碑。
松陰が江戸から長崎へ赴く途中、
御所を拝した時の事を詠んだ漢詩です。
山河襟帯自然城東来無不日憶
神京今朝盥嗽拝鳳闕野人悲泣不能行
上林零落非復昔空有山河無変更聞説
今皇聖明徳敬天憐民発至誠鶏鳴乃起
親斎戒祈掃妖氛致太平従来
英皇不世出悠々失機今公卿安得
天詔勅六師坐使 皇威被八絋人
生若萍無定在何日重拝 天日明
右癸丑十月朔旦奉々
鳳闕粛然賦之時余将西走入海
丙辰季夏 二十一回藤寅手録
訳:山河を襟帯した自然の城
東から来てからはこれを思わぬ日は無い
御所を拝すと野の自分も涙して動けない
朝威は地に落ちて戻ることはなく
山河だけが変わらず聳えている
聞けば今上天皇は徳のあるお方で
天を敬い人民を愛しんでおられる
鶏が鳴けば起きて身を清め
妖気をはらい太平を祈られる
英明な天皇は不世出だというのに
諸候らは何も考えていない
詔勅もって六師を集め、
うけたまわり精鋭なる全軍を動かし
天皇の権威を世に広めるべきである
自分はいつまで御所を拝せるだろう
折角残されている碑ですので、
説明板などを設置するべきですが、
京都には無数に史跡がありますので、
ここまで手が回らないのでしょうね。
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