別府城跡と新城跡の2つの山城跡の谷間に、
薩摩藩の外城のひとつ加世田麓がありました。
防御上で有利な地形であった為、
比較的に中央から離れていながら、
重要な拠点であったようです。
島津宗家9代島津忠国は鹿児島を追放され、
加世田を隠居地としていましたし、
島津家中興の祖と称された島津忠良も、
この地を隠居地としました。
宗家所縁の地であった為か、
薩摩藩の直轄地であったようで、
藩に任命された地頭が赴任し、
御仮屋で政務を行っていたようです。
「加世田御仮屋跡」。
敷地は加世田幼稚園になっていましたが、
平成25年に廃園となっている模様。
幼稚園の前は法務局出張所、
その前は小学校、警察署、村役場でした。
地頭の御仮屋ははじめ別府城跡に置かれ、
享保12年(1727)にここに移転。
地頭の他に郷の役人が勤務したようで、
全ての政務が行われていたとされ、
藩主やその一族が来麓した際は、
ここに宿泊していたようです。
「加世田麓武家屋敷群」。
加世田麓は近世の武家住宅や、
益山用水とそこに架かる石橋、
敷地を画する石垣や生垣や腕木門、
麓の独特な歴史的風致を良く残し、
重要伝統的建造物群保存地区に指定され、
日本遺産にも認定されています。
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出水麓の御仮屋跡と武家屋敷群。