安国寺は松江市竹矢町にある臨済宗寺院。
宝亀4年(773)に光仁天皇により創建され、
当初は円通寺と称していたという。
康永4年(1345)に足利尊氏により、
全国に安国寺が建立されるにあたり、
出雲では円通寺が当てられ安国寺に改称。
寺領の寄進や御教書を賜ったとされ、
最盛期には寺領3000石を有しますが、
度重なる兵火で衰退していました。
「本堂」。
元亀~天正年間(1570~1592)頃、
立翁広本禅師が中興開山したとされ、
江戸期は歴代の松江藩主家が庇護し、
寺領20石が安堵されています。
出雲国分寺と同年代の開山とされ、
隣接していた事もあり、
国分寺の本尊十一面観音菩薩像や、
国分寺印等の寺宝を受け継ぎました。
「泰雲寺殿前三品相公
徹宗道閑大居士神儀」。
丸亀藩京極家初代当主京極高次の供養塔。
高次は大津城を死守して西軍を足止めし、
関ヶ原の戦いに大きく貢献した為、
若狭一国を与えられて小浜藩を立藩。
これが丸亀藩京極家始まりで、
小浜藩から松江藩、龍野藩を経て、
最終的に丸亀藩に移りました。
この供養塔は2代京極忠高が、
松江藩に移った際に安国寺を菩提寺とし、
宝篋印塔を建立したもので、
松江に残る京極家の数少ない痕跡です。
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