初番手行日誌⑤

つづき。
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文久元年9月朔日
上様御登城。当番。
この夜密かに水戸人岩間某
薩摩人樺山某大和の部屋来る。
とても慌ただしかった。
※上様は藩主毛利敬親ではなく、
 世子毛利定広の事と思われます。
 水戸人岩間某は岩間兄弟のどちらか?
 薩摩人樺山某は樺山資紀か?
 大和は大和弥八郎のこと。


2日。非番。部屋替え有り。
河野山兵衛と相部屋になる。
※河野小兵衛?
熊次郎が少病。
有吉熊次郎
この間奥平数馬に会いに行き、
その宴席で詩を作った。
 愛君風相帯仙骨、脱却俗塵我敢尤、
 人海如今波浪悪、倶持孤棹汝時流、

〇朔日に御供を差控える様、
 赤川が伝えに来た。

3日。先輩の楢崎に金子三両を借りる。
楢崎弥八郎
蔵田恭蔵中村權三郎は肴を届けてくれた。
井上は肴を持って来る。
※たぶん井上聞多
先輩の三蔵も肴をくれる。
これらはいつか全て報いなければ。
清内徳久利をくれる。このも同じ。
吉田稔麿の父清内秀清
※色々と貰っていますね。ほぼ肴ですが。
 推測ですが遅れた誕生祝いかも?


4日。外出。八木隼雄が同道するが、
途中で好きに分かれた。
予は日本橋まで買物。すし屋に入る。
芝神明前の占い師に良い事を聞く。
夜に小五郎の所に行く。
 この日麻田若君と議論したという。
 玄瑞が小五郎方に来て聞いた。
 玄瑞は麻田と七日に京都に趣く予定。
※麻田は周布政之助の事。
 玄瑞は久坂玄瑞
 
5日。当番。若君は藤堂様を訪問。
※津藩藤堂家。
夜になって帰って来られた。
6日。非当番。朝撃剣。小五郎方に行く。
直八に会い掛物等を頼む。
時山直八
夕飯後の御殿で面通しの稽古。
午前は通常稽古でこの時は教えられた。
7日。非番。他事なし、
8日。非番。同断。無他行。

つづく。
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