京都を拠点としていた新選組は、
将軍の大坂城滞在の際には大坂に出張し、
その警備も行っていました。
大坂での拠点として萬福寺が屯所とされ、
取り調べ等も行われています。
「萬福寺」。
萬福寺は松屋町筋にある真宗本願寺派寺院。
文禄3年(1594)に創建され、
前田利家の弟前田利信の開山との事ですが、
この利信という人物はよくわかりません。
僧籍に入り開導と称したようですが、
彼の情報は殆どありません。
基本的に新選組は京都を本拠とし、
大坂には隊士が出張に出向いたようですが、
谷三十郎兄弟らは大坂を拠点としており、
支部のような感じだったようです。
「新選組 大坂旅宿跡」碑。
大坂町奉行所の文献によると、
萬福寺が壬生組(新選組)宿所となっており、
他の文献からも宿所と言及されています。
正確な設置時期は不明ですが、
文久元年末から慶応元年始め辺りには、
新選組の大坂屯所となっていた模様。
大坂屯所の新選組は慶応元年5月26日、
南堀江の儒学者藤井藍田宅に乱入。
10数人の隊士が藍田を捕縛し、
萬福寺の屯所に連行しています。
長州藩と討幕の密儀を行った容疑で、
幽閉の上で数々の拷問が行われ、
親族の再三の釈放要求にも応じられず、
16日後に死体となって戻されました。
萬福寺北側の源聖寺坂を登り、
寺町筋を南下して大寶寺へ。
「大寶寺」。
大寶寺は浄土宗のお寺で、
本尊は快慶作と伝わる阿弥陀三尊立像。
萬福寺の裏手にあたる場所ですが、
高低差がかなりあります。
この寺も新選組の宿舎だったようで、
隊士が宿泊した記録が残っており、
萬福寺で収まりきれなかった隊士らが、
こちらに宿泊していたようです。
■関連記事■
・京都府京都市 西本願寺
新選組の屯所となった西本願寺。
・京都府京都市 壬生周辺史跡
新選組の本拠であった壬生周辺の史跡。
・京都府京都市 八木家
新選組の最初の本拠であった八木家。