建部大社は大津市神領にある神社で、
日本神話最大の英雄日本武尊命を祀ります。
武尊命は景行天皇41年(111)に死去しますが、
その5年後に妃の布多遅比売命が神勅を受け、
建部郷千草嶽に武尊命を祀ったのが始まり。
後の天武天皇4年(675)年には、
近江の守護神として現在地に遷座。
天平勝宝7年(755)には大神神社より、
大己貴命が勧請されて権殿に祀られました。
「一の鳥居」。
東海道より100m程度の位置にある一の鳥居。
その立地から多くの旅人が参拝したようです。
「二の鳥居」。
140m程の参道を東進して北へ折れると、
二の鳥居が見えてきます。
二の鳥居を潜り更に進むと神門。
「神門」。
神域との境を示す神門で、
切妻桧皮葺、三間三戸の八脚門です。
明治2年に膳所城の城門が移されましたが、
昭和9年の台風で倒壊してしまい、
現在の神門はその後に再建されたもの。
「拝殿」。
享保9年(1724)に再建された拝殿。
右手前は[三本杉]と呼ばれる杉で、
天平勝宝7年(755)大己貴命を勧請した際、
一夜にして成長したとされる御神木。
「本殿」。
本殿と権殿は同形式の一間社流造で
両殿が並列して鎮座。
拝殿と共に享保9年(1724)に再建され、
日本武尊命と大己貴命が等しく祀られています。
源頼朝が平治の乱に敗れて伊豆に流された際、
その道中に立ち寄って源氏の再興を祈願。
後に頼朝が見事に大願成就したことから、
[出世開運の神]として崇められました。
■関連記事■
・三重県鈴鹿市 能褒野神社/能褒野墓
日本武尊の御陵。
・三重県鈴鹿市 加佐登神社/白鳥塚
日本武尊と墓とされる古墳。