熊野大社は出雲国一宮のひとつ。
出雲国一宮といえば出雲大社が知られますが、
本来は熊野大社が出雲国造の奉斎社でした。
また和歌山の熊野三山も有名ですが、
出雲の民が紀伊に移住する際に、
この熊野大社の分霊を勧請し、
熊野本宮大社が創建されたともされます。
「一ノ鳥居」。
白く立派な一ノ鳥居。
その後には松の木の参道が続きます。
「二ノ鳥居」。
松の参道を過ぎて二ノ鳥居。
後には朱色の八雲橋が意宇川に架かり、
そこから神域へと繋がっています。
「三ノ鳥居」。
八雲橋の先は三ノ鳥居。
こちらは木造の明神鳥居。
「随神門」。
明治19年と昭和3年に改築された随神門。
巨大な注連縄が掛かっています。
この注連縄は出雲大社のものと同様に、
通常のものとは逆向きに張られています。
「舞殿」。
元々は拝殿であった建物を舞殿として移築。
神楽の奉納等の神事に使用されています。
「拝殿」。
昭和53年にそれまでの拝殿が舞殿となり、
拝殿は同年に新しく建立されています。
昭和59年には増築もされたとのこと。
後方の本殿は昭和23年に造営されたもの。
祭神は神祖熊野大神櫛御気野命の1柱。
素戔嗚尊の別名とされています。
「稲田神社」。
本殿右側にあるのが稲田神社で、
素戔嗚尊の妻稲田姫命を祀っています。
素戔嗚尊は稲田姫命に櫛を贈ったとされ、
これに因み御櫛祭の神事が行われて、
櫛を奉納して縁結びや美貌を祈願するという。
※ヤマタノオロチ退治の際に、
稲田姫命は神通力で櫛に変化して、
素戔嗚尊の髪に刺されたともされます。
「伊邪那美神社」。
本殿左にあるのが伊邪那美神社。
素戔嗚尊の母神伊邪那美命を祀ります。
「鑽火殿」。
鑽火祭の神事で使用される鑽火殿。
毎年10月15日に出雲大社の宮司が訪れ、
古伝新嘗祭に使用する神火を受け取ります。
その際に熊野大社の亀太夫という神官が、
出雲大社から奉納された餅に対して、
色や形に文句をつけるとのこと。
そして最後に渋々受け取るのが決まりで、
これを伝統的に行っているという。
鑽火殿には火起こしの神器「燧臼」と、
「燧杵」が保管されているようです。
●著名な神社、神宮
■関連記事■
・島根県出雲市 出雲大社①
大国主神を祀る出雲国一宮。
・島根県大田市 物部神社
石見国一宮。
・山口県防府市 玉祖神社
周防国一宮。
