土方歳三暗殺説について・・・。

函館戦争末期。降伏を考えていた総裁榎本武揚は、
徹底抗戦を主張していた土方歳三が邪魔となり、
乱戦に乗じて土方を暗殺したというもの。
通説では一本木関門を守備し、七重浜より攻め来る新政府軍に対し、
馬上で指揮を執うが、その乱戦の中、銃弾に腹部を貫かれて落馬、
側近が急いで駆けつけた時には絶命していたとされています。
暗殺説の主張としては、
・土方の遺体の埋葬場所が特定されていない。
・土方の死後、榎本は降伏した。
・蝦夷共和国の閣僚8人で戦死したのは土方だけ。
こういう状況から見て、土方は味方に暗殺されたのではないかという。
で、首謀者は榎本武揚だそうです。
榎本は降伏したがっていたが、土方が反対していた為に、
降伏出来ずにいた。そこで、乱戦に乗じて土方を暗殺させたという。
・・ふむ。ちょっと動機としては弱いかな??
土方一人の反対で降伏できないってのは、無理がありますね。
榎本を総裁に決めたのは選挙でです。
そんな民主的な政府であった箱館政権で、一人が反対したからといって、
降伏できないはずがない。
また、土方の死を手土産に降伏したとかの説もありますが、
手土産にするなら生きたままの方がよっぽど手土産になりますし、
未だ手柄を気にする武士の世で、土方ほどの金首を、
「暗殺しました。でも首は取ってません」では逆効果ですね。
榎本は総裁なんで土方を邪魔に思っているなら、更迭でもすればいいわけで、
わざわざ暗殺する必要なんてないですね。
それだけでも榎本首謀者説は否定できます。
では陰謀ではなく、単に名も無き味方兵に撃たれたという説は?
乱戦中に後ろから・・・なんてしようと思えば出来ますし、
死ぬまで戦えって言ってる指揮官に対して、
危機感を持った兵がいたとしても不思議はないです。
でももしそうなら、その兵はすぐに味方に捕らえられるでしょうケド。
遺体の検死もされていませんし、埋葬地がどこなのかも諸説あります。
真相は、謎のままですね。
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