初番手行日誌⑧

つづき。
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廿九日。まだ風邪は治らず。終日寝込む。
夜中に戯事で国学人才を選出してみる。

丗日。風邪はまだ治らず。
静かに座して少し古紙を調べる。
※以下は全てメモ書きの模様。
 播州 大高又次郎備中連島
 三宅定太郎備中岡山浪人
 平島后太郎、
 会津藩有馬御屋鋪、

 向之屋鋪に而物外人物
   武井完平
 本向、大塚、妻木、

 丹宮家来松里勇吉田栄太郎事
※会うべき人物を記したメモ?
 後に池田屋事件の原因となる大高や、
 三宅高幸、会津藩士武井柯亭など。
 吉田稔麿に聞いたらしい。

 人部予備寄覺書
     覺
 一、物持壹人、
     但金銭八拾三文相添
右明朝五ッ半時之御供揃に而御供罷出候處、
下人病気に付前書之物持、刻限無遅滞、
居固屋迄罷越候、此段御沙汰可被下候、

※予備の人員についての覚書。
  何月    某
    矢倉當人
 文学同派之人
  土佐藩 奥村忠次郎
  浪華  春日観平
  但馬  池田貞蔵

※こちらも人物のメモ。
 病気届覺書
 私儀、昨夜巳來風邪に而、
 今日之当番出勤不得仕候、
 右爰御届如此御座候、
           番頭両人様
 私儀、昨夜巳來風邪に而、
 今日之当番出勤不得仕候間、
 番頭へも届差出申候、
 千萬乍惶御惣中様、
 可然御傳達泰願上候。
       御配膳御櫛 両人様
 私儀、昨夜己來風邪に而、
 今日之当番出勤不得仕候、
 千萬乍御苦労代御番被成
 御番被成遣様奉頼候、
 爲其如此御座候、
            相手当る

※これは各位出した病欠書の覚書。
 快気之節
 前文之裏を書候而可なり相手当る之分者、
 此間段々御苦労を懸難御堪次第に奉存候、
 と入れる

※先程の病欠書の裏に書かれたもの。
 切手取寄文言
              名前
 右今日御門外被出度、切手御渡候事、
       月  日
 麻布市兵衛町六軒丁
        戸田采女様向江
            川村某
   唐津藩大野叉七郎居所

※大野叉七郎に手紙を送った際のメモ。
 常人不可忍事則我忍之矣、
 常人可忍事我忍之甚難矣
   浪花寓居此節京師寓す
         越後浪人

         本間精一郎
※本間と会った際に聞いた発言らしい。
※メモを見返して日記に書いた模様。
 余程暇だったのでしょうか?


つづき。
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