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司馬遼の短編集です。
幕末の暗殺事件を題材に12の短編からなっています。
短編集ってのは空いた時間にさらっと読めるので大好きです。
この「幕末」は特に何度も読み返してます。
「桜田門外の変」
井伊暗殺で、唯一薩摩藩士だった有村治左衛門を主人公に、桜田門外の変を書いでます。
不器用でまっすぐな治左衛門が、薩摩の名誉を一身に背負って、暗殺に参加します。決行前の松子との淡い恋が泣かせますが、治左衛門の討死後、治左衛門の長兄と松子が結婚したというオチが、なんとも司馬遼な感じです。
「奇妙なり八郎」
新選組の基礎である浪士隊を結成し、幕府転覆を図った清河八郎の暗躍と、それを阻止しようとする幕府方の攻防。
しかし最後は「策士、策に溺れる」の教訓ともとれる最後を迎えます。
一転ハードボイルドな感じが、なかなか面白い内容です。
「花屋町の襲撃」
隊長の坂本龍馬を殺され、仇討ちを誓った陸奥陽之助(宗光)が、敵は新撰組と知り、新撰組を襲撃します。
敵の特定も襲撃の計画もズサンで失敗するべくして失敗します。
身を立てようと必死な後家鞘彦六は、維新後大阪権知事となりました。
「猿ヶ辻の血闘」
姉小路金知暗殺事件を題材に、薩摩の人斬り新兵衛と、会津の密偵が知り合いう。姉小路暗殺は新兵衛に擦り付けられますが、弁解もせず腹を切ります。
そして罪を擦り付けた会津の密偵も事件の翌日自害します。
全ては謎に包まれます。
「冷泉斬り」
有名な絵師冷泉為恭に天誅を加えるため、間崎馬之助は冷泉に近づく。
意味の薄れだした天誅という言葉に戸惑いながら、葛藤するが、冷泉は別の暗殺者に首をはねられます。
続きは次回。
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