小学校5~6年の頃だったか・・・。
当時は聖闘士聖矢が流行っていて、
少年ジャンプやアニメを視ていたのですが、
ある日書店に行くと、
見慣れぬ本が売られていました。
聖闘士聖矢の単行本とは明らかに違うのに、
表紙は聖闘士聖矢に登場する黄金聖闘士が、
車田正美ではない絵で描かれていました。
タイトルは忘れましたが、
「聖闘士聖矢千夜一夜」みたいな感じ?
表紙につられて買って読んでみると、
恐ろしい世界が展開されてパニックに・・。
要はBLと呼ばれる同人誌だったのですが、
何も知らず読んだ僕は相当ショック。
健全な青少年であった僕は、
なんで男同士がああいうことになるのか、
全く意味不明。
その本は二度と開かれることはなく、
捨ててしまった覚えがあります。
さて今回紹介する本は、
それがどういう本か知らずに読むと、
僕のようなことになるので注意が必要。
南条範夫の「少年行」という小説です。
南条範夫は残酷もので知られる作家で、
漫画シグルイの原作駿河城御前試合も、
彼の作品です。
登場人物の殆どが死んでしまう残酷な話。
その彼が高杉晋作を書いたのが本作で、
BLな話なのです。
少年の晋作が美少年久坂秀三郎(玄瑞)に、
恋心を持つって話。
優秀ながらプライドが高く、
心の中は悶々とした晋作少年が、
秀三郎への恋心に何も出来ない葛藤と、
少年期の青くさい思考を描いています。
僕にはこの世界はさっぱりわかりません。
晋作だけでなく明倫館の学生の多数が、
そういう趣味があり、
実際に多くの学生にカップルが誕生する。
女という未知のものより、
下級生に恋愛対象を求めるという、
不健全な世界が展開されるのですが、
さすがにファンタジーすぎますね。
高杉晋作を題材にした諸作品は、
その激烈な生涯にスポットが当てられ、
ヒロイックな作風なものが殆どで、
読者としても晋作の魅力に惹かれますが、
この作品が異色と云われる所以は、
晋作を汚しきったことにあるようです。
ヒロイックな晋作ではなく、
等身大の晋作というものはありますが、
等身大以下の下衆い晋作を描いたのは、
大変珍しいのではないでしょうか?
魅力は皆無で人によっては、
嫌悪感さえ与える晋作は、
なかなかいないのではないでしょうか?
この作品をイロモノとして読むのもよし、
パロディとして読むのもよし、
はたまたBL小説として読むのもよし、
但しこの作品はそういう作品だよと、
理解してから読まないと、
僕の聖闘士星矢と同じ状態になります。
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これも別の意味で異色。
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