船木は藩直轄地で船木宰判が置かれており、
宿場町でもあり本陣も置かれています。
ここの鳶ヶ巣山に招魂場が建設されますが、
それにあたり村人に沙汰が下りました。
各村が日を決めて開墾をする手筈で、
一日目は万倉村が真面目に開墾し、
二日目は小野村でどう伝わっていたのか、
揃いの着物にのぼり太鼓でやってきました。
三日目は海沿いの藤曲村がやってきて、
飾り付きの小舟を担いできました。
こうなると各村も負けじと趣向を凝らし、
見物人も出てお祭り騒ぎとなりました。
最初の万倉村も面子に関わると参加し、
収拾が付かなくなってしまいます。
結局は船木宰判が沙汰を取りやめて、
人を雇って招魂場を完成させたという。
そんな楽しげな逸話の残っています。
後に山頂では不便な為に現在地に移転。
宇部市船木周辺(船木護国神社の場所)
「船木護国神社」。
船木の産土神である岡崎八幡宮から、
国道2号線を挟んだ向い側にあります。
「社殿跡」。
ここに社殿が建っていましたが、
老築化のために取り壊されたようです。
現在は岡崎八幡宮に移鎮しているらしい。
後で調べて知りました。
※後に社殿は新しく建て直されています。
「船木招魂場」。
こちらは最近整備されたのか、
綺麗に並んでいます。
墓碑は120~130位ありますが、
殆どが昭和の大戦のもの。
幕末期の墓碑は六柱だけ。
隊名は金剛隊、狙撃隊、遊撃隊とバラバラ。
士分のものかといえばそうでもない。
墓碑で確認出来る限りでは、
船木宰判管内の出身者ようでした。
宗藩直轄の機関が身分の低い兵の為に、
招魂場を建立したのは重要なポイント。
■関連記事■
・山口県宇部市 船木護国神社(再訪)
平成30年に社殿が再建されています。
・山口県宇部市 万倉護国神社
国司親相と国司家家臣らを祀る招魂社。
・山口県宇部市 宇部護国神社/福原家屋敷跡
福原越後と福原家家臣らを祀る招魂社。