細島港南側の丘にある細島官軍墓地。
西南戦争で戦死した官軍兵が、
ここに葬られました。
「細島官軍墓地」。
官軍兵319名の墓碑が並ぶ墓地。
宮崎県各地で戦死及び戦病死した兵士らで、
関東、中部、東北出身の者も多く、
故郷より遠く離れた地で眠っています。
「陸軍少佐正七位迫田鐵五郎之墓(左)」、
「贈従五位迫田鉄五郎君追悼碑(右)」。
薩摩藩出身の陸軍少佐迫田鉄五郎の墓。
近衛第一連隊第三大隊長心得として従軍し、
8月18日に臼杵郡可愛嶽で戦死しました。
墓地内で一番階級が高い為か、
墓地中央奥に追悼碑と共に建っています。
「陸軍中尉正八位大谷敏蔵之墓」、
「陸軍大尉従七位吉原光實之墓」、
「陸軍少尉町田宣武之墓」、
「陸軍小隊長湯浅偕蔵之墓」以上前列。
「陸軍少尉試補松下好一之墓」、
「陸軍少尉坂本常隆之墓」、
「陸軍中尉脇坂葦雄之墓」、
「陸軍中尉正八位児玉意豁之墓」以上中列。
「陸軍少尉試補志賀忠篤之墓」、
「陸軍少尉小川早次郎之墓」、
「陸軍中隊長心得村上旗輔之墓」、
「陸軍中尉正八位岩尾勇之之墓」以上後列。
迫田の墓の隣には陸軍将校の墓。
将校はこの他にも点在していますが、
一般の兵より少し大きい墓石です。
「新撰旅団の墓所」。
警部補久留景助以下新撰旅団15名の墓。
久留は旅団の輜重隊に属しましたが、
負傷して富高新町の野戦病院に運ばれ、
8月17日に戦病死してます。
「軍夫の墓」。
一般の墓より小ぶりな軍夫の墓。
西南戦争時の官軍墓地を訪問すると、
毎度ながら墓碑の多さに驚きます。
これが片方の官軍だけのものなのですから、
その壮絶さを感じられずにはいられません。
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南関にある官軍墓地。
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