山口県宇部市 宗隣寺

宗隣寺は宇部市にある臨済宗の寺院。
国の名勝に指定された庭園を持ち、
宇部領主福原家の菩提寺でもあります。


本堂」。
本堂は平成10年再建。
宝亀8年(777)に唐僧為光和尚により、
普済寺として開山しましたが、
戦国時代末期には荒廃していたという。
その後の寛文10年(1670)に、
宇部領主となった福原広俊(15代)により、
再興されて菩提所とされました。
その際に広俊の父福原元俊の法号に因み、
宗隣寺と改称しています。

三家老のひとり25代福原元僴は、
禁門の変の責により岩国龍護寺で自刃。
首級は他の三家老の首と共に広島に送られ、
征長軍総督府となった国泰寺で、
首実験が行われました。
広島県広島市 国泰寺跡
その後に遺骸は駕籠で宗隣寺に運ばれ、
寺の裏山にある福原家墓所に埋葬。
※その駕籠は本堂に保管されているという。
この福原家墓所は通常公開されておらず、
毎年11月の第2日曜日の僅か1日のみ、
一般公開されているようです。
※命日の11月12日に近い日曜日。


宗隣寺庭園(龍心庭)」。
本堂裏手にある国指定名勝の庭園。
築山と池を組み合わせた庭で、
池には夜泊石という八個の立石を配置し、
これを帆を立てた舟に見立てています。
また小石を敷いて浅瀬を造り、
干潟を表現している干潟様のある庭は、
平泉毛越寺とこの宗隣寺のみとのこと。
池の地割りが知恩院南禅寺の庭と似ており、
この為に南北朝時代に造られたものとされ、
普済寺時代の庭を改修したものとされます。


庭から裏山へ行く石橋が見えます。
ここから福原家墓所に行けるとのこと。
ここには25代元僴の他にも、
歴代の当主の墓があるようですが、
全てではないようです。
11月の第2日曜日に行って確かめねば。

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