司馬の短編集は幕末や戦国やその他が、
入り混じったものが多い。
この「故郷忘れじがたく候」もそのひとつ。
タイトルの「故郷忘れじがたく候」は、
豊臣秀吉の朝鮮出兵で捕虜となった陶工が、
その後に辿る運命を描いた作品。
他に「斬殺」「… 続きを読む
司馬の短編集は幕末や戦国やその他が、
入り混じったものが多い。
この「故郷忘れじがたく候」もそのひとつ。
タイトルの「故郷忘れじがたく候」は、
豊臣秀吉の朝鮮出兵で捕虜となった陶工が、
その後に辿る運命を描いた作品。
他に「斬殺」「… 続きを読む
司馬遼太郎は短編が面白い。
・・・と、僕は思います。
実は司馬の長編をあまり読んでないのです。
「竜馬がゆく」はもちろんの事、
「飛ぶが如く」も読んでいません。
4巻以上ある小説って、
読もうとするのに勇気がいります。
読んだ中では全4巻の「世に棲む日日」と、
全3巻の「花神」が一番長い部類です。
「世に棲む日日」を読んで、
途中司馬の創作意欲が無くなったのを、
なんとなく感じました。… 続きを読む
「殉死」を読みました。
乃木希典は長府藩士で幕長戦にも従軍し、
一応は幕末の人物でもあります。
もちろん明治期がメインの人物で、
この「殉死」も殆どが明治期の話。
乃木愚将論の基盤のなった本作に興味があり、
なにより本がとても薄い(笑)ので、
出張移動時に思い切って読んでみました。
司馬遼太郎という人は、… 続きを読む
タイトルに釣られて読んでみました。
坂本龍馬が暗殺を逃れて生きていたら?
よくあるifものですね。
フィクションなんで[竜馬]となっています。
竜馬と中岡慎太郎は京都見廻組に襲われますが、
中岡はそこで絶命。竜馬も重傷を負います。
竜馬の意識が戻らぬまま歴史は史実通り進み、
鳥羽伏見の戦いを経て官軍は江戸に向かいます。
竜馬は意識が戻ると海援隊を立て直し、
箱館戦争を止めるために奔走する。
残念ながら竜馬が生きていても、… 続きを読む
久坂玄瑞は今年の大河で注目されていますが、
久坂を主人公とした小説はあまりない。
今回紹介する古川薫の「花冠の志士」は、
数少ない久坂を題材にした小説。
久坂は吉田松陰や高杉晋作を描いた作品に、
必ずと言って良い程登場してはいますが、
イメージは優等生といった感じでしょうか?
はたまた攘夷思想の過激な行動で、
尊攘派の主魁として書かれることも多い。… 続きを読む
古川薫にハマっております。
文脈が自分に合ってるのか、
何故かスラスラ読めてしまいます。
何より長州モノばかり書いているので、
非常にそそられています。
しかもなかなか渋い題材のものが多く、
とてもいいですね。
今回読んだのは[十三人の修羅]。
英国公使館焼討事件に参加した志士が、
紆余曲折の末に仏師になるというお話。
主人公は架空の人物(と思う)なのですが、
ホントにいるのかと思ってしまいました。
前半は高杉晋作… 続きを読む
椋梨藤太は長州幕末史の最大の悪役です。
今年の大河ドラマ[花燃ゆ]においても、
その例外ではないでしょう。
彼の他小説での書かれ方は俗物そのもの。
しかし果たして本当にそうだったのか?
椋梨は遠近附士という低い身分の出身で、
実直勤勉に役人仕事を続け、
その長年の実績を買われた為に、
派閥の人脈に引き込まれた人物でした。
江戸後期、財政の立て直しの為の改革で、
長州藩は村田清風を起用します。… 続きを読む