善導寺は浄土宗の大本山寺院。
九州唯一の浄土宗大本山です。
建長2年(1191)に草野永平の開基で、
聖光上人が開山して創建。
初めは光明寺と称していたようですが、
建保5年(1217)に善導寺と改称され、
浄土宗鎮西義の拠点となりました。
「大門」。
慶安4年(1651)建立の切妻造四脚門。
この門より善導寺の境内へ
国指定重要文化財。
「三門」。
安政6年再建の山門。
本堂脇陣の二十五菩薩来迎像は、
元々この三門楼上に安置されていたという。
国指定重要文化財。
「釈迦堂」。
三門を越えた正面にある釈迦堂。
延暦寺の根本中堂を模し、
昭和2年に再建されました。
木造釈迦如来像を安置しています。
「大楠」。
樹齢800年の大楠。
3本の木のように見えますが、
2本の木は根が融合している為、
実際は2本という大楠で、
聖光上人が植えたものとされます。
「大庫裏」。
江戸中期以前に建立された大庫裏。
左の門は勅使門でその奥は勅使玄関。
国指定重要文化財。
「本堂」。
九州地方の木造仏堂としては、
最大級のものとされる本堂。
現在の本堂は天明6年(1786)再建で、
屋根上に大きな葵紋5個が並び、
これは石高500石であった標という。
勅使の派遣を前提に建築されており、
御拝口の柱が4本並立しています。
勅使、左大臣、右大臣が並進し、
昇殿するように配慮されたもの。
国指定重要文化財。
「三祖堂」。
明治11年再建の三祖堂。
中華浄土教の祖善導大師と、
浄土宗の宗祖法然上人、
開山の聖光上人を祀ります。
「御廟」。
聖光上人の御廟。
聖光上人は鎮西や弁長とも呼ばれ、
浄土宗第二祖とされる高僧。
比叡山で観叡や証真に師事し、
後に浄土宗開祖法然の弟子となります。
筑後や肥後を中心に念仏の教えを弘め、
その根本道場として善導寺を建立。
二類各生説を唱えて鎮西義を形成し、
これが現在の浄土宗の主流となりました。
善導寺は戦国時代に兵火で荒廃しますが、
江戸時代に柳河藩主田中吉政が再興。
田中家は2代で無嫡断絶となりますが、
後に久留米藩有馬家の庇護を得て、
江戸時代を通じて隆盛したようです。
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