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つづき。
一、4月7日、曇。
卯後、①小田原を発す。
肩輿にて酒匂川を渡り、
大磯、平塚を経て舟で馬入川を渡る。
道は常に海に沿って進んで②藤澤に至る
歩いて数里余りで雨に遇った。
夜、雨は強くなったが朝には晴れる。
一、4月8日、晴。
卯前、藤澤を発す。
戸塚、保土谷、神奈川を経て、
神奈川県横浜市 神奈川宿跡
午後③河崎に至る。
神奈川県川崎市 川崎宿跡
藤澤より河崎に至り皆、
代官青山録平の管轄する所なり。
戸塚、保土谷の間は相武の境界なり。
但しこれがどこかははっきりしなかった。
保土谷、神奈川は皆海浜の驛である。
河崎驛前に川があって橋を鶴見橋という。
一、4月9日、曇。
丑半時に河崎を発す。
舟にて六郷川を渡り品川に至る。
夜明けが過ぎて泉岳寺前を過ぎて、
辰時に江戸の④桜田藩邸に至る。
3月5日家を出てより35日、
長旅ゆえに藩邸に至れば、
鳥が巣に帰って来たかの如し。
巳時に熊幡が厳然として藩邸に至る。
4/7~4/9の行程。
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以上が吉田松陰最初の江戸遊学の行程です。
一人旅ではなく参勤に随行する旅の為、
主要街道を歩いているのが特徴。
西国街道及び東海道の様子が記録され、
なかなか勉強になりました。
但し日記に詩は入れて欲しくないですね(笑)。
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