金峰山湧水群は平成の名水百選のひとつ。
ひとつの湧水を指すのではなく、
点在する20箇所の湧水群を指しています。
その全てを網羅は出来ませんが、
今回は西麓の島崎辺りを巡ってみました。
駐車場のある叢桂園より散策。
「叢桂園」。
藩医学校再春館の師役村井家の別荘跡。
村井見朴の子村井椿寿の作庭とされ、
現在は庭園のみで建物はありませんが、
曲水の美しい庭園を歩く事が出来ます。
庭園を流れる曲水。
上流の釣耕園の水を引いています。
頼山陽等の文人もここを訪れたとのこと。
「釣耕園」。
庭園を歩いた先にある釣耕園。
藩営の御茶屋として造営されましたが、
3代藩主細川綱利が家臣続弾右衛門に与え、
以降は大事にされてきたようです。
こちらは建物も残っており、
往時と変わらぬ風景を残しています。
藩の家老で漢詩人であった米田波門が、
その景観を「釣月耕雲」と詠んだ事から、
釣耕園と名付けられたとのこと。
飛石を配した池。
絶えず美しい水が流れており、
先程の叢桂園に流れ込んでいます。
釣耕園を出て川向いの少年の家跡へ。
「少年の家跡湧水池」。
少年の家跡にある湧水池。
実業家古荘健次郎が別邸を市に寄贈し、
青少年育成施設となっていました。
現在は老朽化して更地となっていますが、
庭にあった湧水池が現存。
絶えず清水が湧き出ています。
対岸に戻って川に沿って上流へ。
「延命水」。
道路脇にある水口。
炊事や洗濯をしていた石段があり、
人々の生活に結びついていた模様。
水は釣耕園や叢桂園に流れています。
更に上る。
「源泉荘」。
政治家安達謙蔵の旧居。
昭和24年に市に寄贈されたもの。
ベンガラが美しい建物です、
「三賢堂」。
安達が精神修養のばとして建設した建物で、
堂内には菊池武時、加藤清正、細川重賢と、
肥後の三賢人の坐像が安置されています。
一旦駐車場まで戻って長命水へ。
「長命水」。
石祠の奥から湧く湧水。
古来より西渓の名水と称され、
風雅人がこの水を煎茶の湯としたという。
明治の末頃にはこの水を小樽に詰めて、
市内で売る人もいたとのこと。
以下も金峰山湧水群のひとつです。
熊本県熊本市 敬神党五士自刃遺蹟
※[鳴岩の湧水]があります。
■関連記事■
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