中山忠光の潜伏先のひとつ三恵寺は、
平安時代初期に実忠和尚が創建した寺で、
川棚温泉発見者怡雲和尚が再興したもの。
怡雲和尚が厄災に苦しむ人々の為に、
仏に祈り続けると枕元に薬師如来が現れ、
古来よりこの土地に棲んでいた青龍と、
病を治す不思議な温泉の語を告げます。
和尚は霊告に従い温泉を掘ることを決意し、
村人の協力で温泉を掘り当てる事に成功。
その温泉の湯は薬師如来の霊告のどおり、
病気に苦しむ人々を次々に回復させました。
人々は温泉が枯れることのないように、
青龍を温泉と村の守護神として祀ります。
そんな伝説のある三恵寺。
温泉開基の寺として信仰されました。
川棚温泉周辺(三恵寺の場所)
温泉街を北東方向に登ったところです。
「長谷ダム」。
昔、川棚温泉自然ランドという施設があり、
スワンボートに乗った記憶があります。
その他、ゴーカート、パターゴルフ、
迷路、ボブスレー等がありましたが、
平成16年に経営破綻しました。
乗る人の居なくなったスワンボートが、
悲しげに岸辺に放置されています。
「三恵寺」入り口。
ダムの湖畔より参道となりますが、
車でないと行けないと思います。
はじめ歩いて行こうと思ったのですが、
坂は結構急で、しかも意外に遠い。
現在は車道が通り行くことは容易ですが、
車道が無い時代は大変だったと思います。
参拝者用の駐車場よりさらに歩いて参道へ。
ひんやりとした霊場らしい肌感を感じます。
「三恵寺 観音堂」。
本尊は千手観音。
70年に1度開帳される秘仏のようです。
次回の開帳は2077年らしい・・・・。
枕元に現れた薬師如来じゃないんですね。
中山忠光はここの中二階に潜伏しました。
外からは中二階は見えませんので、
潜伏にはもってこいの場所だったでしょう。
とはいえ若い中山忠光は、
狭い場所でじっとしてはいられません。
ここには1日だけ潜伏し、
山麓にあった地蔵堂(廃寺)に移動します。
境内にある石仏群。
手を合わしている石仏、肩を組んでる石仏、
子持ちの石仏等いろいろありましたが、
これだけでも観る価値はあります。
ほかにもぼけ封じ観音があり、
ご年輩の方々に人気があるようですね。
■関連記事■
・中山忠光①
下関に潜伏する前の忠光。
・中山忠光の幽霊
忠光は亡霊となって恨みを晴らします。
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忠光の遺体を一時埋めた場所。
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室津の忠光潜伏地。
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忠光が殺害された現場。
・下関市綾羅木 中山神社
忠光を祀る神社と墓所。