小郡から椹野川対岸の元橋という場所に、
東津墓苑という墓地があります。
山の斜面に墓石が並ぶ墓地なのですが、
そこに鋭武隊士の墓がありました。
その墓の主は今井六郎といい、
元々は東津(椹野川の東側)の農民。
諸隊のひとつ鋭武隊に所属して、
戊辰戦争に従軍しています。
明治2年に諸隊が解散・再編されると、
職を失った諸隊士が反乱を起こし、
山口藩議事館を包囲しました。
反乱は木戸孝允が直接指揮をとって鎮圧。
斬首84名、切腹9名、水牢舎2名、
牢舎33名、41名、謹慎45名と、
多くの諸隊士が処罰されました。
今井もその一人で明治3年10月6日に、
厚狭郡妻崎で斬首されています。
「今井六郎義一之墓」。
招魂墓タイプの細身突状型の墓石が、
ぽつんと山の斜面に建っています。
反乱兵は招魂社に祀られないので、
遺族がせめて同志と同じような招魂墓を、
今井に建ててあげたのでしょうか?
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