朝日山招魂社は山口市秋穂にある招魂社で、
慶応元年に八幡隊によって創設されました。
ここは山口県内に数ある招魂場の中でも、
特にビッグネームの墓碑があります。
久坂玄瑞や入江九一、
吉田稔麿、寺島忠三郎などなど。
基本的にそれぞれの招魂場は、
諸隊若しくは地域の戦死者を祀りますので、
ここは八幡隊の隊士達が招魂されています。
久坂は八幡隊の初代総督ですし、
寺嶋は八幡隊の軍監ですが、
入江と吉田の八幡隊との関係は不明。
朝日山山頂にある招魂社には、
結構な距離を登らなければなりません。
しんどくて挫けかけた頃に鳥居に到着。
脇の灯籠には「隊中」と彫られており、
八幡隊士達が寄進したものだとわかります。
境内の真ん中の拝殿。
拝殿の三方に隊士達の招魂墓が並びます。
他の招魂場の招魂墓は細身ですが、
ここの招魂墓は仏式の墓石のように太い。
左から、
「入江九一弘毅神霊」、
「久阪義助誠神霊」、
「吉田年麻呂神霊」。
右の列の奥側に3柱並んでいます。
3柱とも意味深な間が開けられています。
おそらくこの招魂墓を建てた時、
3人の氏(源平藤橘)や諱(いみな)が、
建立者が判っていなかったようで、
後で追加しようと開けられたのでしょう。
「寺嶋忠三郎源昌昭神霊」。
奥の列の後列右寄りにあり、
こちらは氏がしっかりと彫られています。
招魂墓は上記の4柱の他に、
佐藤佐武良、藤井清六、新庄吉兵衛、
飯田政之進、杉山蔀、佐々川治郎、
笹川治郎正義、井上四郎、高橋一郎、
西郷小源太、西郷吉甫、佐藤辰二郎、
弘勝之進、有吉熊次郎、金子久之進、
阿武鞆輔、小川友槌、土田蔦之助、
中村与七郎、石田三千代、野々村三、
利吉、中川源太郎。
招魂社のある場所の眺めは素晴らしい。
朝日山の名のとおり、
朝日を見るのに最適な場所でしょうね。
ちょっと残念なのがこの説明板。
神聖なる招魂社には全く触れず、
「大パノラマ展望所」として、
西がどうだ東がどうだと書かれています。
「大パノラマ展望所」じゃないでしょ?
英霊を祀る招魂場ですよ!
そりゃ眺めはいいけどさ・・。
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