吉田松陰の最初の江戸遊学⑥

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つづき。

一、3月25日、終日陰雨、少しも止まず。
関驛を出発。鈴鹿郡の亀山城に至る。
石川日向守の居る所なり。
伊勢亀山藩8代石川日向守総紀
庄野石薬師四日市を過ぎて、
三重県鈴鹿市 庄野宿跡
三重県鈴鹿市 石薬師宿跡
三重県四日市市 四日市宿跡
桑名の城外に宿泊。
三重県桑名市 桑名宿跡
鈴鹿以東、小川や土橋が数ヶ所ありて、
播州地方と似ているような気がする。
桑名郡の桑名城松平越中守の居る所なり。
桑名藩3代松平越中守定猷

一、3月26日、曇。
桑名の海を航して③に至る。海程7里。
風向きが宜しくなったので辰時舟が出発。
午後に宮に至る。熱田の社を拝す。
午後、晴。

一、3月27日、晴。
辰時、笠寺の前を過ぎ、鳴海大濱を経て、
尾張の界隈に至る。川あり界川と曰ふ。
桶狭間にて今川上総介義元及び、
諸将の墓を拝し石に勒せる文を観る。
古を弔い今を悲しみ帳々として去る。
池鯉に至りて食事。
矢橋を過ぎ⑤岡崎に入りて宿泊。
橋の長さ208間、日本第一に大橋と稱す。
岡崎に城あり。本多中務少輔が居る。
岡崎藩5代本多中務大輔忠民

一、3月28日、晴。
卯後、岡崎を出発。大岡紀伊守邸前を過ぎ、
愛知県岡崎市 西大平陣屋跡
西大平藩6代大岡紀伊守忠愛
藤川に至ると赤城山が近付いてくる。
例えれば舟の海門に進むようなもの。
然れども高い山や険しい峰はない。
赤坂を過ぎれば広い平地が続く。
愛知県豊川市 赤坂宿跡
吉田橋を過ぎて左を見てみれば、
粉壁土塁が高く聳えて流れに臨んでいる。
これは松平伊豆守吉田城なり。
愛知県豊橋市 吉田城
橋を過ぎて⑦吉田驛に入り宿泊。
愛知県豊橋市 吉田宿跡
夜間大雨。暁に至りて晴れる。


3/25~3/28の行程。

つづく。
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