ケシの実は室町時代頃に天竺より、
津軽地方にもたらされたとされます。
これが貿易で栄えた堺の港に伝わり、
江戸時代初期よりその栽培が始められ、
大坂、堺、和歌山等の周辺地域で、
盛んに栽培されるようになりました。
ケシといえばケシ坊主と呼ばれる果実から、
アヘンやモルヒネが生成されますが、
種子にはこれらの成分は含まれないか、
極めて少量であるようです。
その種子を煎って餅にまぶしたのが、
堺の名物和菓子となっている「けし餅」。
老舗は「本家小嶋屋」(天文元年(1532))と、
「小島屋泰芳」(延宝年間(1673-1681))。
なんでも元々「本家小嶋屋」が小島屋でしたが、
諸事情で小島屋の屋号を売ったらしい。
その後再び「小島屋」の看板を使った為、
裁判沙汰となって現在の屋号になったとか。
元祖は「本家小嶋屋」のようですが、
正式に譲られたのなら「小島屋泰芳」も正統で、
どちらも本物でどちらも300年以上の老舗。
今回は「小島屋泰芳」に行ってみます。
「堺名産けし餅本舗 小島屋泰芳」。
小島屋より屋号を受け継ぎ、
延宝年間(1673-1681)に少林寺町で創業。
昭和28年に現在地に移転していますが、
けし餅一筋に家伝の製法を守り続け、
現在も同様に営業を続けているようです。
「けし餅」。
見た目はゴマ団子のケシヴァージョン?
いえいえゴマとケシでは大きく違います。
※ゴマ団子はゴマ団子で美味しいです。
ケシの粒は細かくて香ばしく独特の食感で、
餅は非常に柔らかく触るとへこみますし、
中のこし餡の甘さは控えめで丁度良い。
成程これは美味しいですね。
今度堺市に行くことがあれば、
次は本家小嶋屋でも買ってみたいです。
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