伊庭八郎の征西日記⑫

つづき。
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6月1日。
雨と雷。四ッ半時頃に雨は止む。昼後、忠内氏と共に、
松田氏の所に行って酒を馳走になり、夕方帰宅。

6月2日。
晴れ。夕刻に雨になる。
三郎筒井氏ら4~5人は釣りに行く。
自分は終日宿に居た。夜四ッ半時頃に御目付のお達しにて、
講武所のその他残った者が、
大坂にこのまま滞在するのは良くないので、
陸路で帰ってこいとの事で、
剣槍方は6日に出立するようにとの事。
※大坂に居たって遊んでるだけですもんね。
 帰れと言われるでしょう。

6月3日。
雨。6日に出立せよとの事で、大勢の人々が来た。
駕籠を買おうと五郎兵衛に頼んだところ、
引戸は3両程との事。
道中の旅費を五郎兵衛に頼み、
遺置代は2両2朱。昼後、晴れた。
※大坂でのんびりしていた連中は大慌てといった感じでしょう。

6月4日。
晴れ。道中に入用なものを準備。
賄いにも自分と三郎で2分渡す。
天ぷらを揚げる。夜に道頓堀辺りへ見物に行く。
※道頓堀に見物。大坂が名残惜しかったのでしょうね。

6月5日。
晴れ。明日の荷ごしらえをしていると、
賄いが砂糖を持ってきた。
家来には金子を与え、働いている人には祝儀を与える。
賄いにと酒を頼み、天野氏ら一同が来たので酒肴を出す。
※明日の出発準備をしていますが、
 この日、京都では池田屋事件が発生。
 大坂の彼らは知る由もありません。

6月6日。
晴れ。明け七ッ時に旅館を出立。
八軒屋あたりで夜明けとなり、
佐田枚方を進む。枚方で昼食を取る。
この辺りは景色が良いが暑くて難儀だった。
水野和泉守殿と大坂に行く途中にすれ違った。
男山八幡が見える淀で休憩。伏見に七ッ時頃に到着。
道中手当が一人3両1分少々貰えた。
※いよいよ出発。本日は伏見までです。
 水野和泉守は、山形藩主水野忠精でしょうか?
 彼は当時老中で、この月の18日に主座に昇格しています。
 その大名行列とすれ違ったようですね。

6月7日。
晴れ。八ッ時に出立。道を間違えて難儀した。
大津宿で昼食を取り、矢橋を渡り草津に到着。
草津で道を間違えて中山道に出る。
東海道石部宿の手前に出て、石部宿には九ッ時頃に到着。
川が増水しているので滞留した。
※道を2度も間違えています。方向オンチなのか?

6月8日。
晴れ。蒸し暑く、川の増水で足止めで難儀。
退屈だったので月代を剃る。
笹屋という宿に泊まったが粗末であった。
茶代を忠内氏に払ってもらうよう託けた。一人1分。
八ッ時頃、別の御達しがあり、京で異変が起こったので、
希望者は早々に京へ向かえとの事。
永井主水正殿、岩田半太郎殿両名の印が押されていた。
忠内氏はじめ18人の者が、夜六ッ時に出立。
石部を出て早駕籠にて、明け六ッ時頃に京に着いた。
三条橋手前で一同は駕籠を下り、町奉行小栗方へ行く。
槍術方は小栗方、剣術方は瀧川方に行き、
町奉行所の案内で、油小路に下宿した。
※永井主水正は、後の箱館政府の箱館奉行永井尚志のこと。
 町奉行小栗、瀧川は、東町奉行が
小栗政寧で、
 西町奉行が
滝川元義

6月9日。
終日宿に滞在。

6月10日。
昼前は旅宿。昼後、稲葉候からの御達しがあり、
今回京に戻ってきた講武所剣槍方の面々に会われるとの事。
そこで八ッ時に稲葉候の許に参上し、状況の説明と、
駒井氏が一同を代表してお褒めの言葉を頂いた。
※稲葉候は、淀藩主で当時京都所司代であった稲葉正邦のこと。

6月11日。
晴れ。蒔田様の許に参り御伯父様にもお目にかかり、
御馳走されて夜に入って旅館に帰る。

6月12日。
晴れ。不破道場に稽古に行き、今堀氏の宿に行った。
夕刻に今堀氏と共に祇園四条河原夕涼みを見物。
代金2分2朱。
夜分、14日に出立するように御達しがあり、早々に支度する。
※最初は構えていましたが、やっぱり遊びに行っちゃいましたね。
 ・・と思ったら帰れとの御達しです。

6月13日(記述なし)

6月14日。
晴れ。今日、出立するので蒔田様の許に行き、
200疋を餞別に頂く。
垪和氏にも会ってお暇乞いをする。
旅の用意を整え、代金1分2朱掛かった。
昼後に出立し、暑いのでとても難儀。石部宿へ5ッ時に到着。

6月15日。
晴れ。三郎の体調が悪いというので、自分一人が後に残る。
昼頃会いに行くため駕籠で向かうと、道の途中で三郎に出会う。
五ッ時頃までに土山に到着。忠内氏に手紙を出す。
宿は粗末で200文だった。
※弟が病気?一人残って三郎の許に出かけますが、
 途中で体調不良をおして前へ進む三郎と遭遇。
 集団と別れて2人旅が始まります。

つづく。

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