第14回「慶喜の本気」。
西郷は大久保正助に熊本藩の重役を紹介した後、
単身で江戸に出る。
いつのまに熊本藩重役と知り合いになったんでしょう?
アメリカ総領事ハリスは、将軍徳川家定に謁見。
家定は同じ挨拶を連発。篤姫と何度も練習したようです。
「御台とも幾久しく有効を保ちたいものだ」
と家定は言いますが、
こういう無駄にナイスな台詞は女性脚本家っぽいですね。
一方、西郷は福井藩主松平慶永に謁見。
そこで水戸の徳川斉昭の事が語られ、
「ワシが浪人町人を引き連れてメリケンに乗り込もう」
斉昭が言っていると聞きます。
なんで水戸藩士ではなく「浪人町人」なのか不明ですが、
とにかく斉昭が暴走し、井伊直弼が暗躍しているので、
一刻も早く一橋慶喜を時期将軍に擁立するようにとの事。
橋本佐内は「一橋公言行記」なる伝記を作成し、
慶喜がいかに優れているかを広めようと画策。
そこへ慶喜が現れ、内容は作り話だと伝記を破り捨てる。
・・・が、写しがあるので安心です。
島津斉彬は幕府に建白書を提出。
現在の国難を乗り切るためには、
一橋慶喜が時期将軍がふさわしいとのこと。
外様大名が建白書を提出した事で。
幕閣の会議は紛糾します。
西郷は井伊に呼ばれ直接対決。
薩摩の家族の事まで知られているようです。
幕府隠密でも容易に入れない薩摩に侵入できるとは、
彦根藩の間者は相当優秀なようですね。
論争はどう聞いても井伊の方が正しいような気がしますが、
スパイを勧められた西郷は、
「こんな腐った連中とは立場が違う」と断る。
建白書の写しは大奥にも出回り、
ピン子扮する本寿院もその写しを読み、
水戸の隠居の子を時期将軍にしてはならぬと怒り、
「おのれ御台所め~!」
と矛先が何故か篤姫に向かう。
なぜ水戸が大奥で不人気なのか説明は無し。
篤姫は家定に一橋慶喜を時期将軍に勧めるが、
家定は一橋は好かぬと否定しますが、
「皆息災」の言葉が響き、
あっさりと「予の次は一橋じゃ」と決定。
慶喜は彦根藩の暗殺者に襲われるが、
西郷は脇差で暗殺者を殺してしまう。
原作者林真理子や脚本中園ミホが描きたいという、
女性目線の西郷像というのが少し垣間見れました。
暗殺者の命と慶喜の命は等しいと主張し、
あまりにも女々しく、あまりにも現代的に、
人を殺してしまった事をショックがる。
まあそういう系だとは思っていましたけどね。
なにで決心したのか、慶喜は彦根藩邸に赴き井伊に会う。
井伊は徳川慶福が将軍になった暁には、
紀州を差し上げたいという。
これはいくらなんでも譜代として無礼な言い草です。
慶喜はその言を聞き「俺が将軍になろう!」と言い捨てる。
全体的な流れの組み立ては悪くないと思う。
なかなか理解させるのが難しいこの辺の政治論争を、
100%とは行かないまでも、
きれいにまとめていたと思います。
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