第十九回 「女たち、手を組む」
タイトルからこの回はどーでもいい内容であろうと、
視聴者は誰もこの回は期待していなかったでしょうね。
けれど、僕は意外とこの回を評価します。
タイトルどおり女たちが手を組むのですが、
要は女達が集まって内職したという話。
物価の高騰による生活苦や男たちの入用を補うため、
みんなで組紐や焼きかまぼこを作ります。
組紐を作る道具や、名産の焼きかまぼこの作ってる様子など、
へぇ~と関心する内容でした。興味ない人にはつまんないでしょうけど。
さて、晋作は上海行きを命ぜられるのですが、
ここまでの晋作のエピソードが大分端折られましたね。
①結婚1ヶ月後に三田尻の軍艦教授所に通い軍艦丙辰丸に乗って江戸へ航海に出る。
②江戸へ着くと丙辰丸の作業を投げ出して、藩に江戸遊学の許可をもらう。
③しかし父小忠太が手を回し、晋作の帰還命令を出す。
④晋作は剣術修行&賢人訪問のため回り道して帰りたいと要求、藩はそれを許可。
⑤剣術修行のかたわら水戸の加藤有隣、松代の佐久間象山に会う。
↑この旅を晋作は「試撃行」と名づけます。このブログのタイトルはこれから取りました。
⑥萩に帰ると世子小姓役を命じられる。
⑦江戸で行動中の久坂ら尊攘派が、晋作を江戸に呼び寄せるために画策。
⑧小姓となって4ヶ月後、御番手として江戸へ。
⑨久坂らから藩論が長井雅楽の「航海遠略策」に移行していることを知り、
長井暗殺を計画。
⑩暗殺計画が周布政之助や桂小五郎の耳に入る。
彼らは晋作を上海に派遣して暗殺を断念させる。
・・・とまあこういう流れがあって、晋作の上海行きに繋がるのです。
端折られるのはいつものことなので気にしません(笑)。
上海行きが決まって萩を留守にすることになった晋作は、
妻の雅が寂しがらないように文に友達になってくれと頼みます。
面白いなと思ったのは雅のキャラ。なかなか斬新です。
自由奔放で毒舌。なんでも器用にこなし、ガールトークをつまらないと感じている。
そんな自分が面白いと思うのは、夫の晋作だけだと言う。
こういうキャラ設定の雅は初めてですね。
若くして晋作の嫁となり、出ずっぱりの夫に翻弄されながら、
夫の死後もいいつけどおり再婚せず、子供をしっかり育てた雅。
うのの影に隠れてあまり語られる事のなかった雅のこのキャラ設定は、
何らかの意図でしょうか?
この性格でうのの事を知ったら、めちゃめちゃキレられそうですが・・・(笑)。
松浦亀太郎が、塾生最初の殉難者として死亡します。
この松浦亀太郎は松陰の肖像画の作者として知られますが、
尊皇僧月性や烈婦登波(登波の記事はこちら)などの肖像も描いています。
実際には、長井を暗殺する計画を立てていたところ、
ある人物(誰かはわからない)に止められ、その事に憤りを感じて切腹したのですが、
ドラマでは暗殺に失敗して自害してましたね。
未然に断念したのと、実際に襲撃したのではかなり違うと思うのですが・・・。
久坂は周布に「廻瀾条議」を提出して長井に対抗します。
今のところこのドラマで久坂の思想がどんなものか感じられませんが、
やはり幕末長州では、それぞれの思想が重要になるところ。
淡々と事柄を追っていくだけでは見ている方も意味がわかりません。
「航海遠略策」の何がダメなのか、「攘夷」とは何か、「尊皇」とは何かを、
もうちょっと伝えられないものでしょうか?
こういうことを上手に説明できたドラマなんて見た事無いのですが・・・。
ただいま 4 そうせい!
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