第二十五回 「風になる友」
クリエイタ-と呼ばれる人種は、どの業種でも「他と変わった事がしたい、
新しい事がしたい」と考えがちです。
技術に裏づけされた自信のない者が、特にその傾向が強い。
なぜなら新しい事は、そんなにクオリティが求められないから・・・。
だから才能の無い者は、すぐに先駆者になりたがる。
先駆者が一番有名になれるしね。
それに比べ、既存のもののクオリティを上げるというのは、とても大変です。
しかし、新しいことなんてほとんど出尽くして、
斬新かつ既存のものより優れている事なんてそうそう無い。
それでも無理やり新しい事をしようとすれば、
変になってしまう以外にないのです。
前置きは長くなりましたが、
幕末史上最も有名かつ、日本史上でもかなり上位に入るであろう新撰組の、
一番の活躍の場であった池田屋事件。
数多くの資料や創作物で、皆がその場面を知っています。
実際はさておき、素人が知る池田屋事件は、
近藤勇、沖田総司、永倉新八、藤堂平助が踏み込み、
近藤が率先して階段を駆け上るというもの。
資料でもそう伝えていますし(正確には少し違う)、ドラマとしてもカッコいい。
これが完璧な形ではないでしょうか?
今回の池田屋事件では、したり顔の沖田総司が、
「近藤さんは下の階を・・・」と階段を駆け上ります。
何故???
わざわざそんな演出する必要があるのか?
誰もそんな事期待していない。
してるとすれば、演出家の独りよがりでしょう。
近藤が率先して階段を登るのは、「蒲田行進曲」の頃から出来上がったもの。
階段から転げ落ちる浪士もまた見もののひとつでしょう。
池田屋事件を素晴らしい出来にすれば、
「花燃ゆ」の評価はまた違ったものになったでしょうね。
それだけ重要な事件なのに・・・・残念。
新撰組ファンの評価を聞きたいものです。
さて、吉田稔麿が死んでしまいましたね。
彼の持つ可愛らしい槍(携帯用?)は、本当の事なんでしょうかね。
資料が無いのでわかりませんが、
あの短さでは、槍の良さが生かせないような気がします。
池田屋内部なら意外と役にたったかも?
沖田と絡むのかなと思ったら、全く絡みませんでしたね。
今回、山口の全体風景が映されましたが、雰囲気出てましたね。
地元の人も納得できるCGだったんではないかと思います。
萩の全体風景もかなりリアルだったですよね。
ああ・・・脚本・演出以外は素晴らしいのに~。
ただいま 9 そうせい!
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