第三十八回 「届かぬ言葉」
そうせい候の隠居により、
世子毛利元徳が当主(知藩事)となり、
それに伴い奥も代替わりします。
美和も出世して№3の座を獲得します。
明治新政府は長州藩に対し、
兵制改革を命令します。
・・これじゃ幕府より酷いですね。
実際に奇兵隊を含む諸隊(約五千名)を、
四大隊(約二千名)に再編し、
残りは論功行賞も無く解雇されました。
これは明治新政府からの命令ではなく、
長州藩の方針です。
古来より獲得した土地からの収入で、
兵を養い論功行賞をするわけですが、
浜田藩領や小倉藩領を返却し、
戊辰戦争では獲得するものも無い為、
長州藩は骨折り損だったわけですから、
苦渋の選択であったと云えます。
この辺の政府方針は下手糞だったのですが、
秀吉や家康を見習うべきですね。
薩長は見返りがあって然りと筈。
個人的な出世の見返りはありましたが、
藩そのものというくくりでは皆無でした。
これはトップが木戸だったのが不幸。
本来得られるはずの利権さえ、
政治的パワーバランスのカードとなり、
権利を手放す事になっています。
これらが士族の反乱のに繋がっており、
後に民主主義に移行したわけではなく、
軍国主義だったわけですし、
薩摩閥も長州閥も出来上がったのですから、
それなら諸隊の解雇はなんだったの?
首都も東京はまずかった。
京都か大阪、愛知辺りに置くべきところを、
東側の動向を気にしすぎました。
後の反乱が西側に集中してることからも、
明治政府の失策といわざるを得ませんね。
話を戻します。
奇兵隊は不平等を訴え反乱を起こします。
反乱軍の首謀者は「雲仙」。
・・・・誰?
実際の首謀者は、
奇兵隊長島義輔、振武隊藤山佐熊、
鋭武隊富永有隣らです。
ここでオリジナルキャラを持ってくる?
富永有隣を出したらいいじゃん。
意味不明です。
反乱を聞いた奥では、
またもや美和が戦術を練ります。
全く無駄ですが・・・。
結局、抵抗した描写もなく、
藩庁は包囲されます。
楫取素彦は諸隊と元徳をいったりきたり、
血を流さぬよう努力します。
長州幕末史のいたるところで、
全て手柄を挙げてきた楫取ですが、
今回の反乱軍との交渉は史実。
毛利敬親の隠居により、
元徳は毛利宗家の当主です。
楫取は「若殿!」と失礼な発言を連発。
「若殿」は世継ぎの呼称です。
幼い主君を指す場合もありますが、
主君と認めてないと取れます。
そんな楫取の言う事聞くわけないやん!
こういう基本的な事が間違ってるよね。
んで病気のそうせい候まで担ぎ出し、
反乱軍と交渉。
一件落着かと思いきや、
カラスが鳴いたのに驚いた兵の発砲で、
木戸の鎮静軍と交戦になります。
なんだそりゃ?
そうせい候の面目丸つぶれ。
今回挿入されていた椿や水仙、
着物の柄など、何の演出??
そんなん今まで無かったじゃん。
ただいま 16 そうせい!
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